【 拓殖大学副学長 】
山田 政通 [ YAMADA Masamichi ]
大学院所属研究科 言語教育研究科 英語教育学専攻 職名 教授
担当科目



学内役職・課外活動担当クラブ等
拓殖大学副学長、地域連携センター長、英語研究会部長

自己紹介・学生へのメッセージ
 自由な時間のある大学時代、勉学、旅行(是非海外へ)、人付き合いを通して、自分自身に磨きをかけてから卒業してください。特に語学学習には、年齢制限があり、20代前半までが勝負です。学生と雑談するのは大好きです。最近は忙しい時がだんだん多くなってきましたが、出来るだけユーモアを忘れないよう心がけています。


学 歴
年月 学歴 学位
論文
1978年3月上智大学 外国語学部 英語学科 卒業 文学士文学士
(該当なし)
1984年11月エジンバラ大学(英国) 言語学部 応用言語学科 修士課程 修了 理学修士MSc
A Pedagogical Grammar of the Past Tense Modals in English
1987年3月上智大学大学院 外国語研究科 修士課程 修了 文学修士文学修士
The ‘Tentative’ Use of the Past Tense Modals in English
2000年3月ジョージタウン大学(米国) 大学院 言語学科 博士課程 修了 言語学博士PhD
Negation in Japanese Narratives: A Functional Analysis

職 歴
年月 職歴
1978年4月東京都立豊島高等学校 英語科 教諭
1988年4月拓殖大学 外国語学部 専任講師
1992年4月拓殖大学 外国語学部 助教授
2001年4月拓殖大学 外国語学部 教授 

研究業績
研究分野活動
「否定文の語用論」
 否定文については、言語学の分野では従来より、統語論、意味論などから数多くの研究が行われてきたが、語用論の立場からの否定文の研究はまだその緒についたばかりである。私はここ数年この研究課題について調べてきて、談話中における否定文の数々の機能(例えば、否定機能、対比機能、評価機能など)を明らかにしてきた。これらの機能は、日英両語において見られる機能で、言語の持つ普遍性の現れである可能性もあると思われる。また、最近研究が注目を集めているメタ言語否定(metalinguistic negation)を語用論の立場から分析をしてる.さらに、データのジャンルを拡大し、多角的に否定文を捉えたい。
研究課題
「メタ言語否定の語用論」
メタ言語否定は、これまで断片的な記述や、これまた断片的に集められた例をもとに、その統語的、意味論的特長を中心に研究がなされてきた。メタ言語否定は、否定の特別な使用法であり、実例を集めるのは難しいと予想されるが、それが使用されている文脈を踏まえ、どういう効果を生み出しているか、調べていく。メタ言語否定は、広告、インタビュー、政治発言など前もって言葉遣いを練ることが出来る文脈で見受けられるように思われるので、そういったジャンルを中心に見ていくつもりである。分析法としては、談話分析的な手法で、対人関係機能に注目しながら見ていく。
研究助成等
年月 区分 課題番号・名称・題目・機関名等
1993年学内語学研究所 個人研究助成金
1994年学内大学研究所 個人研究助成金
1998年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2000年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2001年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2004年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2006年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2007年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2011年学内言語文化研究所 個人研究助成金
2021年学内言語文化研究所 個人研究助成金
資格・特許等
年月 名称
   

著書・学術論文等
種類 発行又は発表の年月 著書、学術論文、作品等の名称 発行又は発表雑誌等又は発表学会等の名称 該当頁
概要
著書(単著)2003年3月The Pragmatics of Negation: Its Functions in Narrative ひつじ書房449p
言語学ではこれまで形態論、統語論、意味論などの見地から否定の研究が活発に行われてきた。本書はこの否定文を最近注目されている「語用論」と「談話分析」の視点から分析を試みたものである。談話の中で否定文が果たす機能を「否認機能」、「対比機能」、「評価機能」、「対人関係機能」の4つに絞り、実際の発話をデータとして分析した実証的な研究である。最終的には、その中で「対比機能」が否定文の中核的機能であると結論付けた。また、人が否定文を使用する際には、それに対応する肯定文の内容が何らかの形で「期待」されている文脈が必要である、という語用論的な原則が存在することを明らかにした。
著書(共著)2010年6月否定と言語理論
開拓社378-97
本書は、言語における否定現象の研究者20名の論文を集めたアンソロジーで、現時点での否定研究の最前線を示す。否定とその関連現象は、人間の言語と認知に深く関わり、それらの構造と機能およびそのインターフェイスの解明に不可欠な基礎をなす。本書では現代言語学の観点から統語論・意味論・語用論・史的研究における最新の研究成果を提供する。それぞれの領域における論考は、トピックとアプローチの両面において多彩であるが、広範な領域からの知見をもとに、否定の全体像を明らかにし、さまざまな研究領域やアプローチの相互理解と将来の発展の可能性を探る。
学術論文(単著)1988年5月「対話教材をどう扱うか」(特集)高校の授業の中でー4つの活用法現代英語教育5月号10~11
教科書に出てくる対話教材をどう扱うかという特集記事の一つとして、高等学校の現場で実際の授業の中で著者が実践している4つの活用法を紹介している。
学術論文(単著)1988年12月Deixis in English: a Preliminary Survey拓殖大学語学研究5623~46
英語の直示表現を、アメリカの幼児用番組をデータとして、実例を示しながら、FillmoreやLevinsonを参考にして解説した論文である。
学術論文(単著)1990年1月Making More Sense of the Past Tense Modals in English拓殖大学語学研究6061~71
英語の法助動詞の過去形の使用をより体系的に示した。Tentative Useや Direction of Fitなどの考えを取り入れ、日本人英語学習者のデータも紹介した。
学術論文(単著)1991年3月A Comparison among Three Approaches to Discourse Analysis拓殖大学語学研究661~19
談話分析の方法論として代表的な3つの方法を比較検討した。具体的には、グライス流語用論、発話行為論とエスノメソドロジーの3つである。
学術論文(単著)1993年9月English Loanwords and Lexical Pairs in Japanese: the Case of Color Terms拓殖大学語学研究7311~37
日本語への英語からの借入語として、色彩語を取り上げ、本来の日本語と借入語としての英語で二つ一組をなす語彙ペアに注目して分析した。
学術論文(単著)1994年7月On Defining Pragmatics拓殖大学論集21075~93
語用論という比較的新しい言語学の分野をどう定義するかを、多くの研究者の試みから、数個のキーワードを抽出し、最後に自分なりの定義を試みた。
学術論文(単著)1994年12月On the Pragmatics of Negation拓殖大学研究年報2545~71
否定発話にまつわる語用論的な側面を、有標理論、ポリアナ仮説、図と地、前提性、心理言語学の見地、会話の含意などから総合的に論じた。
学術論文(単著)1995年3月Conversational Implicature and Two Pragmatic Principles拓殖大学語学研究781~13
会話の含意を算定するには、
従来より言われていた協調の原則だけでなく、ポライトネスの原則も考慮に入れないとその全体像はつかめないことを論じた。
学術論文(単著)1995年12月On the Structure of Oral Narratives拓殖大学語学研究801~82
Lobovの英語の口述ナラティブの分析を参考に、日本語の口述ナラティブの構造を分析した。概ね英語の構造と同様な構造が日本語でも見られた。
学術論文(単著)1996年6月The Pragmatics of Past-tense Modals in English: the Case of COULDInternational Journal of Pragmatics 1118~28
英語の法助動詞COULD(過去形)の使用を、その機能面から調べた。話者同志の関係、面子、ポライトネスなどの語用論的な要素が大きく関わることが分かった。
学術論文(単著)1996年12月A Longitudinal Study on the Use of the Definite Article by Japanese Learners of English拓殖大学論集222113~144
中級日本人英語学習の自由作文をデータに、定冠詞の習得の過程を時間の経過と共に縦断的に調査した。
学術論文(単著)1998年9月The Pragmatics of Negation: the Contrastive Function拓殖大学語学研究881~37
談話中に使用された否定発話を、対比機能という主要な観点から、語用論的に分析した。
学術論文(単著)2001年12月The Evaluative Function of Negative Utterances in Narratives (Part One)拓殖大学語学研究981~30
物語文の中で使用された否定発話の評価機能について、その分類を中心に、新たな見地を紹介した論文の第1部である。
学術論文(単著)2002年4月前景としての否定文:物語本筋否定International Journal of Pragmatics 1621~31
日本語の物語文の中で使用された否定発話の評価機能について、特に物語の前景として物語本筋の否定の例を取り上げ、論じた。
学術論文(単著)2002年6月The Pragmatics of Negation in Narrative: Storyline and Interactional FunctionsSophia Linguistica 4965~98
日本語の物語文の中で使用された否定発話の評価機能について、特に物語の本筋と相互作用機能に注目して、実例を分析した。
学術論文(単著)2002年9月The Evaluative Function of Negative Utterances in Narratives(Part Two)拓殖大学語学研究10055~87
物語文の中で使用された否定発話の評価機能について、その分類を中心に、新たな見地を紹介した論文の第2部である。
学術論文(単著)2004年2月イギリスのフォリー建築拓殖大学言語文化研究所129-68
日本ではこれまであまり紹介されていないが、18世紀を中心にイギリスで流行したフォリー建築について、著者人が見た実例を挙げながら、その背景を探った。
学術論文(単著)2004年12月メタ言語否定の談話分析拓殖大学語学研究10745-69
従来からメタ言語否定については、多方面から研究がおこなわれてきたが、本稿では実際に使用されたメタ言語否定に注目し、談話の中でどんな働きをしているかを調べた。
学術論文(単著)2007年3月語用論から見た否定の世界:談話機能の視点から拓殖大学語学研究11437-58
英語の映画のスクリプトから実例を挙げながら、否定表現が実際どのように使用され、またどんな機能を果たしているかを詳細に論じた。
学術論文(単著)2009年3月Making More Sense of Antonymy in English 拓殖大学語学研究12043-79
意味論の中での従来の反義語の扱いを、3分類に即して、詳細に概観した。最後に、第4の分類として文化的反義語と談話の視点からの分析の必要性を説いた。
学術論文(単著)2010年3月否定表現の諸相:小説をデータとして拓殖大学語学研究12251-78
日本語の小説をデータとして、談話分析の手法を用いて、使用されている否定表現の談話上での機能を調査した。
学術論文(単著)2013年3月否定表現の談話分析:歌詞をデータとして拓殖大学 語学研究12813-47
日本語の歌詞をデータとして、談話分析の手法を用いて、使用されている否定表現の談話上での機能を多角的な視点から調査した。
学術論文(単著)2015年12月文化的反義語の試案:第4のカテゴリーとして拓殖大学語学研究133149-172
反義語は、従来3分類して論じられるのが一般的である。本論では、新たに第4のカテゴリーとして文化的反義語を提案する。これは文化により変化する反義語で、この研究の教育的価値や応用分野にも言及する。
学術論文(単著)2018年2月文化的反義語―英語の実例集―拓殖大学語学研究137251-287
本稿では、著者がこれまで集めてきた英語の文化的反義語の実例を紹介した。まず第2節では、文化的反義語を定義し、これまでの研究で指摘されてきた代表例を確認した。以上を踏まえて、第3節では、著者が集めた文化的反義語の実例を日常生活、一般社会、文化の3つの分野別に整理し、適宜解説を加えた。
学術論文(単著)2019年3月文化的反義語の試案―日本語の実例―拓殖大学語学研究140237-267
著者自身が収集してきた日本語の文化的反義語の実例をまとめて紹介し、詳細に論じた。第2節では、文化的反義語を定義し、これまでの研究で指摘されてきた代表例を提示した。その上で、第3節では、著者が集めた文化的反義語の実例を日常生活、一般社会、文化の3つの分野別に整理し、適宜解説を加えた。
学術論文(単著)2020年3月文化的反義語―日本人学生への調査より―拓殖大学語学研究142231-257
本稿では、大学生が日本語でどのような文化的反義語を実際に意識しているかを調査し、その結果を分析してまとめた。新たな発見としては、反義語ペアの選択に、回答者の属性に起因するバイアス傾向があることが判明したことが挙げられる。
学術論文(単著)2023年3月否定表現の談話分析ー英語の歌詞をデータとしてー拓殖大学 語学研究148189-222
英語の歌詞をデータとして、談話分析の手法を用いて、使用されている否定表現の談話上での機能を多角的な視点から調査した。日本語の歌詞を分析した山田(2013)と対をなす論考である。
学術論文(単著)2024年3月英語歌詞の中の否定表現―非標準変種の二重否定とAin’t ―拓殖大学 語学研究150131-158
英語歌詞中の非標準変種(二重否定とain’t)の使用を、社会言語学と談話分析の視点から分析した。その結果、それらの使用には、歌のメッセージを強化する機能があり、歌い手の主張や窮状の描写を強化することが分かった。
その他(単著)2008年3月書評:H.G.Widdowson (2007) Discourse Analysis拓殖大学語学研究11781-88
談話分析を概観する専門書として、非常にコンパクトだが優れた内容を持つと思われるWiddowsonの書籍を同様の他書と比較しつつ、批評した。

学外活動業績
本学以外の機関(公的機関・民間団体等)を通しての活動
1995年10月~  日米教育委員会 フルブライト奨学生 書類選考委員(英語教育)
2000年10月~  日米教育委員会 フルブライト奨学生 面接委員(英語教育)
2006年10月~  日米教育委員会 フルブライト奨学生 面接委員(言語学・英語教育)
2014年4月~2016年3月私立大学連盟 国際連携委員会・委員
2014年10月~  日米教育委員会 フルブライト奨学生 面接委員(言語学・英語教育)
2015年1月~  日本私立大学団体連合会 国際交流委員会・委員
2016年2月~2016年3月八王子市教育委員会・外国語指導助手(ALT)業者選定委員会・委員
2017年1月~2017年2月八王子市教育委員会・外国語指導助手(ALT)業者選定委員会・委員
2018年4月~  JASSO 日本留学試験実施委員会・委員
2018年7月~2020年8月日本留学試験の今後のあり方に関する検討ワーキンググループ委員
2020年4月~  八王子市立館小中学校学校運営協議会・委員
2020年10月~  JASSO 日本留学試験実施委員会・委員長
学会・学術団体等の活動
期間 区分 学会・団体名、役職名等
1982年~  学術団体等日本英語表現学会 会員
1986年~2004年 学術団体等上智大学言語学会 会員
1988年~  学術団体等大学英語教育学会 会員
1990年~1995年 学術団体等アメリカ言語学会 会員
1991年~2003年 学術団体等国際語用論学会 会員
1991年~2015年3月学術団体等日本プラグマティックス学会 会員
2001年~  学術団体等日本語用論学会 会員

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